部下が適応障害と診断された。
そんな時、上司は責任を問われるのか。どういう事をすればいいのか解説します。
うつ病の方が意味合いは広く、うつ病という“くくり”の中に適応障害が入ってます。
ちょっと部下の状態が不安定だな、大丈夫かな?と感じた場合は
こちら→新人が、うつっぽい・・・そんな時の対処法【予防策もアリ】をご覧ください。
まずは適応障害というモノが何なのか、そこから勉強しましょう。
なるべく分かりやすく、かみ砕いて説明するので安心してください。
部下が適応障害になってしまった時の対処方法
部下が適応障害と診断された場合、上司としては現場の改善が最善の方法です。
その理由は「適応障害」という病気に理由があります。
ですので、まずは適応障害について学びましょう。
適応障害とは
適応障害とは、特定の状況やできごとが部下にとってメチャクチャつらいことなのです。
コレが職場で起こっているということは・・・何かがキッカケで、部下の心にグサっとくるものがあるのでしょう。
ですが、誰かに何かされている。とか、限定的なものとも言いづらくて、新しい人間関係などに不安を感じている状態も適応障害と言われます。
一種のパニック状態なので、不安にかられる場所から離れたら、症状は落ち着きます。
ですので、居場所によって症状が出たり出なかったりするのです。
逆にいわゆる「うつ病」ってのは根本的に精神が崩れているので、どこにいても症状が出ます。
この違いが分かればOKです。
参考:医療法人池澤クリニック
部下が適応障害になったら
シンプルな話、休職すれば解決します。
ですが部下を休職させて解決するのは、部下本人の状態だけです。
部下が適応障害になった原因が職場にある限り、戻ってきてもまた同じこと。
部下が弱いわけではありません。周りの環境になんらかの引き金があるのです。
適応障害になった本人自身、原因がどこにあるのかハッキリしないこともあります。
ですので、一緒に働いている人から情報を得てください。
- どういう条件で緊張度が上がるのか
- 気になる行動パターンは何か
- どういう条件で顔色が変化するのか
例えば、頻繁に水を飲んでいるとか。
これは緊張度が高く、口が渇いていると考えられます。
まぁこういうのは部下のことをよく見ていないと分からないので、下手すりゃ「よく分かりません」「気付きませんでした」なんて答えが返って来るかも?
とにかく職場環境の改善をしよう
部下が適応障害になってしまった、という事は何らかの問題が職場内にあると考えた方が良いです。
もちろん100%とは言い切れませんが、また同じことが起こった場合、上司の責任が問われる可能性もあります。
ですので、今まで以上にチームのことをよく見てみましょう。
- 嫌がらせ行為など無いか
- コミュニケーションに問題は無いか
- 自分の目の届かないところもチェック
ただし、さり気なくね・・・
まずは上司自らが改善
適応障害の部下が出てしまったから、チーム全員に「どうしてこうなった?今までの態度見直して改めろ」と言っても聞いてくれません。
ですので、何も言わなくても良いから上司自身が変われば良いのです。
- もっと部下のことを考えてやる
- もっと部下が気持ち良く仕事できるように工夫する
- もっと部下の話をちゃんと聞く
明らかな結果が出るまでは時間がかかってしまいますが、やってみてください。
これからやるべき改善点の詳細とコツは下記の記事リストを
- 基礎から学べる「部下の育て方」完全無料で理想の上司に
仕事の教え方。部下の褒め方をまとめています。 - 相談されやすい人になる、たった2つのポイント
チーム内の問題を圧倒的に減らすコツは、相談しやすい上司の有無です。 - 【完全版】部下とのコミュニケーションに悩まなくなる方法論
部下とどうコミュニケーションを取れば良いか具体的なコツをまとめました。
適応障害の部下を生み出さない職場環境の作り方
これまでは適応障害の部下が出た時の対処方法です。
次は予防方法についてお話します。
仮に適応障害の部下が出たとしても、すぐに上司が責任を取らされることはありません。
ですが、立て続けに部下が適応障害になってしまったら、調査されて責任を問われる可能性があるので、あらかじめ対策しておきましょう。
部下を褒めるテクニックを磨く
部下が適応障害になってしまう原因は、仕事に慣れないことによる強いストレスです。
これを緩和する方法は、どんな小さなレベルであっても的確に褒めること。
新しい仕事ってのは、どこかしら不安を抱えながら取り組んでいるものです。
なのに失敗が許されない雰囲気があるとか、失敗したら怒号が飛んでくるとか
できて当たり前・・・そんな環境だと、部下が適応障害になっても不思議ではありません。
ですので、部下を褒めるテクニックが必要なのです。
詳しいやり方まで書いてると長くなるので、下記の記事を読んでおいてください。
相談されやすい上司になる
適応障害になってしまう前に、部下自身で何か困ったことがあった時、上司に相談できていれば防げた可能性があります。
だけど部下は上司に相談できない理由があるのです。
- 相談して聞いてくれるか不安
- 相談したところで、解決できると思えない
- 相談したら、俺の評価が下がるかもしれない
こんな不安を抱えていて、上司になかなか相談できません。
この解決法は、上司と部下の間で十分なコミュニケーションを取ること。
信頼できる相手には、何でも相談しやすいですよね。
ですので、振り切って友達になってしまうくらいの勢いで部下とコミュニケーションを取ってみてください。
それくらい親しい上司が居れば、何か困ったことがあった時にすぐ相談してくれますよ。
部下と仲良くなって良いのか、という疑問にはこちら↓
「部下と仲良くしない方が良い」は大間違い。問題はソコじゃない!をご覧下さい。
管理職のあるべき姿に近付こう
部下から見て、信頼できない管理職が居ることはストレスの原因になりやすいです。
じゃぁどうすればいいのかというと、部下から信頼される管理職に自分が変わるべき・・・
と言いましたが、そう簡単にはいきません。
コレも時間がかかります。ですが、管理職には必要な要素なのです。
どうでしょう?
- 自分のことしか考えてない上司
- 言ってる事がコロコロ変わる上司
- 事なかれ主義で問題に正面から向き合わない上司
こんな上司が居たら、そりゃ部下が適応障害になってしまいます。
ですので、管理職としてあるべき姿になるのが予防策です。
私の考えですが、管理職は「誠実性」が大切だと思っています。
親しみさも必要ですが、それは人それぞれのキャラクターで選んで良いと考えます。
あまりフレンドリーさがなくても、誠実な人であれば管理職は十分に務まると思っているので、誠実性を上げるよう努力してみてください。
関連記事はこちら→管理職のあるべき姿は〇〇〇実は正解があった!
まとめ:部下が適応障害になるのは、職場に問題アリ?
適応障害というのは、キッカケがあって症状が出てしまう精神疾患の1つです。
ですので部下本人からしたら、休職することで良くなる可能性があります。
しかし本当の原因が職場にあるとしたら、改善をしなければ部下が戻ってきたところでまた同じことを繰り返してしまいます。
なので職場環境の改善を今すぐに始めましょう。
部下がまた適応障害になってしまったら、あなたの責任になることも・・・
まぁすぐに責任を取らされることはありませんが、続いた場合は本当に処分が下されるかもしれないので、油断してはいけませんよ。